2014年10月11日土曜日

オンタリオ教育研究所の授業ってどんなんよ?


お久しぶりです、入澤です。
しばらく更新が滞ってしまいました。
課題が重なる時期にもコンスタントにブログを更新するのは難しいですね。
記事を書きためておく等方法を考えます。


さて、授業が始まって一ヶ月が経ちました。そこで今回はこちらの授業がどんな感じで行われているか、主にCurrent Issues in Teacher Educationの授業を主に取り上げて説明したいと思います。


教授はClare Kosnikという50代ぐらい?の女性の教授です。
こちらの教授はだいたいそうですが、教師として学校で働いた経験を持ち、その後大学に戻ってPhDは教育哲学の分野でとったと言っていました。高めの声とファッショナブルな服装が特徴的で、とても優しい素敵な方です。特にゆっくりと話してくれるのでリスニングに問題がある私にはとても助かります。


Clive Beckという名誉教授との共同研究が多く、近年多くの教師教育の研究、特に教職課程のプログラムのデザインに関する研究を多く発表されています。また、同時にLiteracyに関する研究も多く、最近はLiteracy Teacher Education(読み書き計算を教える教師をどう育てるのか)に関する研究も多く発表されています。ホームページもありますよ→http://literacyteaching.net/


授業に参加している生徒はだいたい20名(カナダ人が17人。中国人2人、私)。
ほぼ全員が教師として現場で働いた経験を持ち、なかには校長先生もいれば、教育委員会で人権・エクイティー委員?みたいなのを長年やっているというような人もいます。教育実習生の指導教官として教師教育に関わったという人も多いです。これは他の授業の話(結局とらなかった)ですが、教授が繰り返し「この教室に集まっている一人ひとりが貴重な学びのリソースだ。」と言っていたのが印象に残っています。これはその授業だけでなく、おそらくOISE全ての授業で共通の考え方のように感じています。特に教師教育はまだまだ発展途上の学問分野なので、現場の最先端の声が大学の教室に持ち込まれることにとても価値があるように感じます。実際、生徒の発言に反応して、教授が何度も授業中に"This is sooooo interesting!!!!"と叫ぶのをよく聴きます。教授も毎回の授業で学んでいます。


授業は1回3時間。授業ではリーディングアサインメントに基づいたディスカッション(ディスカッションというよりはダイアローグと言った方がいいかもしれません)だけでなく、皆で一緒に教師教育に関する動画を見てからディスカッションをすることもあれば、ゲストスピーカーが来てプレゼンしてくれることもあります。


また、リーディングアサインメントに基づいたディスカッションも色々な形式が取り入れられます。例えば、ある時は教授の本の2、3、4章のうちのどれか一つを生徒に課題として渡しておいて、次の授業で生徒がそれぞれの章の内容を共有し合う(2、3、4章のどれか一つを読んだ3人が集まる)ジグソー学習をしたり、リーディングアサインメントの内容に沿って形式上立場を二つにわけてディベートしたりします。何か一つの結論を出すことが目的とされることはなく、生徒一人ひとりが学びを深めることが目的とされており、学びが開かれているように感じます。


さらに、毎回の授業で生徒によるプレゼンがあります。成績評価に関係がないとシラバスに書いてあったのでおそらくやる人はそんなにいないのだろうと思っていたら、最初の授業の終わりに教授がやりたい人と呼びかけたところ、10人ぐらいさっと手を挙げていて驚きました。テーマから時間まで完全に生徒に任されており、生徒は自分の得意な分野、専門性がある分野(もちろん教師教育に関する分野)についてプレゼンします。プレゼンを聴いていて驚くのは、全員が教師なのでとにかくプレゼンが上手い!ということ。そして、一方的に情報を提供するようなプレゼンではなく、ペアやグループで考えたり、意見を共有するワークが取り入れられた双方向的なプレゼンであるということです。私も11月の半ばにプレゼンをするので、今から色々と準備しています。


そして、これが一番大事なことだと思うのですが、教室にはとても安全なコミュニティがあります。海外の大学院の授業というと、積極的に授業に参加し発言することが求められるというイメージがありますが、OISEは違うようです。もちろん教授は生徒の参加を促しはしますが、決して強制はしません。「積極的にガンガン話す人もいれば、あまり話さない人もいるよね。色んな人がいていいよね。皆がみんな、それぞれの学び方で学ぶもんね。」という前提が共有されているように感じます。人が一番学ぶのは、その人が心身の安全を感じ、自分が周りの環境に影響を与えることが出来ると実感しているときだという確信をOISEは体現しているのだと思います。私はまだまだ英語がちょっとあれなので、なかなか授業に積極的に参加することが出来ません。ですが、自分のあり方を認められ、自分の学びの手綱の持ち方を「それでいいんだよ」と言ってもらえているように感じています。


OISEは世界で10本の指に入る教育研究の集積地ですが、留学生に求めるTOEFLの点数は90点台前半です(私はこれにも満たないのに入れてしまいました。てへぺろ。)。トロント大学の他の大学院だと100前後が普通のようです。これは一体何でなんだろう?と思っていたのですが、OISEには語学的にたとえ劣っていても留学生をコミュニティに包み込み、そして違う国で教育に関わってきた彼らの経験を学びのリソースとしてコミュニティ全体に還元することが可能だという自信があるのだと思いました。


OISEにいる人は教授もスタッフも生徒も教育者としての自覚を持ち、人が健やかに学ぶことが出来る教育学的な空間に関する共通理解を持っているように思います。そのような空間に触れていることが、そもそも大きな学びの一つだと感じます。また、それぞれの教室でそのような空間を体現していく教授のスキル、人間理解からも日々学んでいます。


最後、少し話が脱線した?かもしれませんが、以上がOISEの授業の様子です。
それじゃ、今日はこの辺で。。





2014年9月20日土曜日

今学期の授業とか目標とか


こんにちは、入澤です。
こちらは先週末から一気に寒くなり、秋の気配をむんむんと感じます。


OISEでの二週目の授業が終わり、登録する授業も決まったので報告します。色々と悩んだのですが、今学期は正規の授業は二つのみとしました。


まず授業登録のシステムを説明すると、こちらでは一学期に最大四つまで授業をとることが出来ます。ただ、その場合だと次の学期は必然的に三つまでしか登録出来ません。つまり秋と冬の二つの学期で最大七つまで登録できるということです。


ただ、実際のところ、四つ授業を取ると相当しんどく、ネイティブの学生でもかなり厳しいようです。三つで十分キツく、二つはぼちぼちというところでしょうか。


僕のコースは必修は一つだけで、MEd(プロフェッショナル向けの修士)の学生は自分のコースから必修を含め五つ、その他どのコースからでも自由に五つ選んで履修することで卒業出来ます。MA(アカデミック向け)の学生だと授業は六つのみで、授業の代わりに修論の執筆が卒業要件に加わります。


ちなみに僕はMEdの学生なのですが、MAへの転向を考えています。
MAへの転向のためには授業を六つ取り終わる前に手続きを終える必要があるらしく、そのため秋冬は取る授業を五つ(秋二つ、冬三つ)としました。もし手続きに手間取って時間がかかっても希望が残るようにしています。


このMAへの転向に優先順位を高く設定しつつ、秋冬の目標などを考えて履修する授業を決めました。秋に履修するのはCurrent Issues in Teacher Educationという授業と、まさかの統計。数字が嫌いなので統計は迷ったのですが、ここらへん押さえるかどうかで当然出来る研究の幅が全然違うと思いますし、結局取ることにしました。研究手法についての授業はかなり盛りだくさんで、様々なものを履修出来ます。研究手法はやはり大学院にいる時にしっかりと指導してもらうのが一番だと思うので、正規で履修するか潜るか(交渉したら潜らしてくれる教授が多いみたいです)はわかりませんが、今後も一学期に一つは勉強していくと思います。


今学期に関しては正規の履修登録をしました。というのもMAへの転向の際にこの手の授業をとっておくと有利に進むと聞いたからです。SPSSとしっかりとお友達になりたいと思います。


さて、もう一方のCurrent Issues in Teacher Educationの方ですが、 こちらは入学前から履修したいと思っていた授業だったので今から楽しみです。名前の通り、教師教育について様々なトピックを扱う授業なので、今後の方向性を決める上でも非常に役立つと思い、履修しました。課題も自分が経験した教師教育プログラムの批判的分析というものと学期末のテーマ自由のエッセイの二つのみなのでなんとかやれそうです。ただ、分量は恐ろしく多いですが。最初の課題は二週間後に提出なのでもうさっそく考え始めています。また、成績には関係ないのですが毎回一人もしくはグループでの学生のプレゼンが行われます。別にやらなくても良かったのですが、せっかくの機会のなので日本の教師教育についてプレゼンすることにしました。内容は考え中。


実はこの授業の教授には長くお世話になる可能性が高いと思い、ちゃんとアピールしておかないとな、というのもプレゼンに挑戦する理由の一つだったりします。ディスカッションにはまだ英語力的に参加しにくいので、思いっきり準備して実力を遺憾無く発揮出来る場を自分で設定しました。MAへの転向後の論文作成の時の指導者になって頂けるように働きかけたいと思います。


基本的に文献を読み込んだりするのはこの授業のみなので、授業で提示される課題文献にとどまらず、教授に質問しながらどんどん自分で学びを深めていくつもりです。既に初回授業次に渡されたシラバスには膨大な文献リストが載っているのでそれも助けになります。また、課題のエッセイのでは日本の教師教育について扱うつもりなので、そこで必然的に日本の様々な文脈も理解していくことになるかと思います。


授業については以上の二つなのですが、他にも少し考えていることがあります。
こちらに来て感じたのは、自分が持っている情報の少なさ。知り合いもいない中、一人で来たので当然ですが、やはり情報が得にくいことは大学院という貴重な機会を最大限楽しむ上では致命的です。ネットの情報も整理されていないことが多く、後から「え、そんな面白そうなのあったの?」と知ることが多かったのが九月の最初の二週間でした。


なので、秋の一つの目標をネットワークの構築にしました。
自分が興味があるものごとの情報が無理に手を伸ばさなくても勝手に入ってくるようにしたいと思います。そのために学部が開く色々なオリエンテーションや交流イベントに顔を出し、いろんな人と出会い、情報を得たいと思っています。


また、そのための一つの手段として、そしてそれ自体が貴重な学びの機会でもあるのですが、積極的にOISEが開くワークショップに参加する予定です。OISEはそこで学ぶ人たちに対して多くのワークショップを提供しており、すべてが無料で受けられます(これもホームページを漁っていて偶然見つけるまで知らなかった)。週に一度は何かしらのワークショップが開かれているので、なるべく多く参加しようと思っています。連続ワークショップの形式をとるものもあり、授業と同じ感覚で受けられそうです。とりあえず、来週月曜日にはSocial Justice and Equity Leadership in Schools: Race, Power, and Privilegeという五週間連続のワークショップが始まるので今から楽しみです。日本ではなかなか学べないことですし、この機会に見聞を広めたいです。


また、いつまでも英語力の低さを足かせにしている場合ではないので、秋冬は英語力の向上にも対策を打っていきます。正直なところ、授業に出て頑張っていれば自然と英語力は上がるので、あくまでサポートですが。ただ、オリエンテーションで話を聞いたところ、大学院生向けの英語のプログラムはトロント大学の教授が実際に大学院で勉強する留学生を対象に調査をした上で分析を行い、効率良く授業でのパフォーマンスを高められるようにプログラムを設計したとのことで、今の自分にはためになりそうです。六週連続で、それぞれの月に開講するので、まずは会話のものを一つ、次にライティングを一つ、という感じで少しずつやっていきます。


トロント大学、そしてOISEは学生に多様な機会を提供してくれます。ただ、それをどうアレンジして自分の目的の達成のために役立てるかは学生それぞれの戦略次第。しっかりと考えて、この貴重な留学の機会を最大化していきたいと思います。

今日はこの辺で。



















2014年9月16日火曜日

子どもに道路を開放するということ


こんにちは、入澤です。
今日はこの間偶然見かけたある光景について書きたいと思います。


スーパーに買い物に行こうと大通りを歩いていた時です。自分の住んでいる寮からほんの5分程の場所でした。いつもは車がびゅんびゅん通っている通りが閉鎖され、歩行者に開放されていました。それだけなら東京でも歩行者天国がありますし、新宿や銀座で見かけたことがあります。


ですが、トロントのものは少し違いました。道路が開放された上で、そこにチョークが置かれていました。子どもたち(中には大人も)がそのチョークを手にし、思い思いの絵を描いていました。私はその時、その光景にかなーり感動しました。





道路の開放が終わる直前に出くわしたのでどんどん人がはけていってしまい、写真を撮った時にはほぼいない感じに。。。残念。子どもの写真がとりたかったのだけど。

なんか大人もチョークを手に色々落書きしていました。おっちゃんからヤンチャな若者まで。





日本の歩行者天国って結局都心の大人、それも買い物など経済活動を行う人を対象にしたものだと思うんです。ところが、トロントのものは子どもたちを含めて対象としている点で明らかにそれとは違いました。


トロントの子どもたちからしてみれば、日本程ではないにしても車の往来が激しく、外に出るときは大人同伴でないといけない(法律で定められている)環境というのは息苦しいものだと思います。そのような環境で生きる子どもたちに、街の方から「我々は君たちのことを理解しているよ、大切に思っているよ」と言ってもらうことはとても大切に思えます。街が車の往来を止め、子どもたちに開放するというのはそのメッセージでしょう。


子どもたちは勉強を始める前から、遊ぶことを通して多くのことを学びます。
子どもにとって遊ぶことは人として育つ上でかけがえのないことなのですが、大人はそれをなかなか理解しません。ですが、トロントの街はそれを理解してくれている様に思えました。まるで街が子どもたちが子どもとして生きていることを歓迎している様に思えました。


日本でプレイワーカーとして働いていましたが、都立公園の中で開催しているプレイパークの前の公園内の道ですらチョークで落書きすることが禁じられていたので、驚きは一入でした。子どもたちが生きる上で自然に持つ遊びへの欲求が否定され続けるのが日本のように思えます。(子どもの権利条約では子どもの遊ぶ権利が掲げられているのですが。。)こんな記事もあります→http://matome.naver.jp/odai/2140963798547114201。これは道路じゃなくて公園ですが、このような環境では何も許してもらえない、認めてもらえないというメッセージばかりが伝わり、自己肯定感が低いままに育ってしまうのではないでしょうか。我々は大人の言葉がけばかり気にして、環境が子どもたちに与えるメッセージに気がついていないように思います。


道路の開放は一つの子どもたちへのエンパワメントだと思います。いつかこういった取り組みが日本でもたくさん見られる様になるといいと思います。まあ、最終的にはこういった取り組みがもはや必要ないって状態が理想なのでしょうが。。


最後に、インドのキラン ビア セイシさんの動画を載せておきます。
これを見て頂くとより一層私の言いたいことが伝わるかもしれません。





それでは、今日はこの辺で。




入澤

2014年9月15日月曜日

トロント大学のオリエンテーション


こんにちは、入澤です。
授業が先週から授業が始まり、初週を終えました。

今回は授業ではなく、その前にあったオリエンテーションについて書きたいと思います。
オリエンテーション期間は一週間以上続き、様々な学部やプログラム、施設が学生向けに開いています。学生は事前に登録したものに自由に出ることが出来ます。私が参加したのは1)留学生向けのもの(いくつか)、2)大学院生全体を対象としたもの、3)自分が所属しているOISEのCTLという学科のものです。

2)は情報の共有だけだったので、1)と3)について書きたいと思います。
まず留学生向けのオリエンテーションですがCenter for International Experience(CIE)というところが主催しており、5日間通しで様々な情報を複数回提供していました。学生は自分の好きなものだけふらっと行って気軽に参加出来ます。提供されているのは留学中の保険についてのものや、ビザ関係のもの、移民や市民権についてのものもあれば学業での成功についてや交流会と様々でした。私は学業での成功について(Academic Success)、英語に関するサポートについて、そして交流イベントとしてナイアガラの日帰り旅行に参加しました。


■ Academic Success

どのような内容を話すのか気になったので参加しました。
トロント大学のライティングのサポートをはじめとした豊富なサポートが紹介されるのかと思いきや案外タスク処理や勉強に適した習慣作り、体調管理等のお話が多かったです。


特に面白かったのは自分の思考タイプを分析型か拡散型か考えるワークでした。ざっくり言うと、人は一つのことを丁寧に順を追ってやっていきたい人と、色々なことに興味が移りながらも同時に色々とこなしていく人に大きく分けられます。より簡単に言うと、前者は説明書をしっかりと読みたい人で、後者はいきなりとりあえず動かしたいと思う人って感じでしょうか。「友人に誘われたら勉強の計画があっても優先するか?」「旅行に行く時予定を細かく立てるか」といった質問が出され、それがどれだけ当てはまるかに応じて教室を前後で移動して自分の位置を表現しました。実はこれ、似た様なことを(というか全く同じことを)昔所属していたLearning for Allの研修に取り入れており、「あ、これ昔自分が作った研修だ!」と驚いてしまいました。最後の五分はリフレクションの時間に当てられ、横の人と今日の学びと今後のアクションについて話しました。


また、オリエンテーションが終わった後に、その日偶然参加していた大学院生が僕一人ということもあり、プレゼンテーターの女性が話しかけてくれました。何か質問はないか?困っていることは?と優しく聴いてくれるその姿勢にとても感銘を受けました。お役所仕事ではなく、本当に真摯な気持ちでプレゼンテーションをされていたんだということが伝わり、それにとても心温まったのを覚えています。


■ 英語のサポートについて

トロント大学には英語のサポートプログラムが複数整備されており、対象は学部生から大学院生までと幅広いものから大学院生のみ、中には博士課程の学生のみを対象としたもの(自分のラボの先生とのアカデミックコミュニケーションを鍛えるもの等)まで様々です。内容も様々ですが、単純な4技能のどれかに特化したトレーニングだけでな”Famous Torontonians”, "Winter in Canada, Eh?"と色々と面白そうなものも多いです。期間は1〜2か月のものから1日のワークショップまで様々で、格安もしくは無料で受けられるのが魅力です。


オリエンテーションではここらへんの情報はちゃちゃっと共有して、プレゼンテーターの陽気なお兄やんがカナダにまつわる単語クイズで盛り上げたり、会場から英語学習の方法を聞き出してフィードバックしたりしていました。


■ ナイアガラツアー

留学生の交流イベントとして開かれていました。
8月にカナダに来てからまだろくに観光していないなと思ったので羽を伸ばすつもりで行ってきました。

途中、なんかおしゃれな街に立ち寄り(あんまり知らない)、ワイナリーでワインを飲み、ナイアガラに行くというツアーで、なんだかんだ行って楽しめました。

なんかおしゃれな街はおしゃれでした。
よく知らないけどキレい。
















ワイナリーではプエルトリコ人とワイン飽きたからビール飲みたいよねってことで意気投合し、サッポロ!サッポロ!言ってたらワイナリーの人に冷たい目で見られていました。
あ、こちらはサッポロが日本のビールで一番売られているんです。


そしてナイアガラ。日本を離れて初めて感じる大陸の大自然は圧巻でした。
カナダに来たからはこういう自然の雄大さもっと感じたいと思いました。いやぁ、面白かったです。























船に乗って滝壺の近くまで行きましたが、土砂降りの雨のように水飛沫が降り掛かりました。

まあ、根っからの一匹狼なので基本一人で行動しましたけどね。
こういうところに来てはしゃいじゃうヤツとか嫌いなんですよね。





















■ OISE CTL





















そして自分が所属するOISEのCTLのオリエンテーション。
オリエンテーションは講堂での挨拶、図書館ホールでの交流会、学科ごとに部屋に集まってプログラムについての質問タイムの3つから構成されていました。


講堂での挨拶では学部長から事務の人から図書館の方まで色々な方が挨拶されました。
印象に残ったのは学部長が自分自身がかつてアイルランドから来た留学生だったと話し、
会場の留学生に手を挙げる様に促し、どれだけ多くの留学生がここにいるかを示したところです。一人の留学生としてとても温かく迎えてもらえたように思えました。


もう一つ印象に残ったのが司会をしていた教授のファンキーさ。
髪の毛赤くてモヒカンみたいになっているイカしたシュッとした女性の教授が話していました。近くで見てみると腕にはがっつりタトゥーが入っていてちょっとびっくり。日本ではさすがになかなかこういう教授はいないので、文化の違いを感じました。個人的には以前の職場に髪の毛の赤いエキセントリックなお母さんがいたので、なんか親近感を感じてました。


図書館ホールでの交流会では自分のアドバイザーのジャック・ミラー教授にお会いすることが出来ました。冬学期には授業をとるので今から楽しみです。


最後の質問タイムでは同じコースのMEdの学生達が集まり、コースのスタッフに色々と質問しました。多かったのは奨学金、授業料等のお金関係のこととMEdからMAへの転向(こちらは修士が2種類あります)についての質問で、やっぱりお金関係と進路に直結する学位については質問が集中していました。


ただ、そこらへんは質問が集中するのは当然なので、そもそもどこかウェブサイトなり資料なりに情報を載せておけよと思うのですが、こちらはざっくりと資料つくってがっつりと質問の時間とればいいでしょ?という考え方なのか、なんだか適当です。それで困ることもしばしば。。。まあ、文化の違いだと思い定めて慣れるのが一番なのでしょうね。


全体的に、オリエンテーションはとても人間味が溢れており、大学が本当に新入生を歓迎しているということが伝わりました。大学のコースや施設などの情報だけでなく、生き生きとした組織としての大学の文化を体感するというところに価値があったように思います。


また、今後何か困ったことがあればこの人に話を聴けばいいという人がしっかりとわかり、オリエンテーションの場で会話することが出来るというのはとても大事な気がしました。日本では「大学の事務所の人」はどこまでも匿名の誰かでしかありませんが、トロント大学では〜〜担当の○○さんというところまでわかるので、今後何か質問したり相談したりする時に心理的なハードルが下がるように思えます。
日本の大学が学べることは多いように感じました。


今日はこの辺で。









2014年9月7日日曜日

なぜオンタリオ教育研究所(OISE)に留学するのか?

今回は何でトロント大学オンタリオ教育研究所(OISE)に留学しようと思ったのかについて書きたいと思います。


留学を志した理由は大きく二つです。
1)自分が研究したいことを研究出来るところがあまり日本にない。
2)違う社会を体感し、その中で子どもたちがどう育っているのかを知りたい。


上の様な理由で留学しようと思ったのですが、留学先はまず2)の方を優先し絞り込みました。実は当初は「子どもの幸福度世界一」と最近よくいわれているオランダに留学しようと思い、オランダの教師教育学を研究する教授達にメールを送って、留学することが可能かどうか聞いていました。ただ、教師教育学はまだまだ新しい分野のため修士で研究出来る様なところはない、英語だけでなくやはりオランダ語も求められる、といった壁にぶつかり、こちらは断念しました。オランダはヨーロッパの教師教育学の中心地でもあるため、大変悔しかったです。


そして納得出来る留学先が見つからずどうしようかと思っていた時、勧めて頂いたのがカナダ、特にトロントでした。私のカナダのイメージはアメリカから逃げて来た奴隷を受け入れた歴史を持ち、今も移民大国として毎年多くの移民を受け入れ続けている国であるということ。そして背景の全く違う一人ひとりの人間を大切にし多様性を育んでいる国であり、アメリカの影響を強く受けながらもアメリカとは違った成熟した社会のあり方を目指している国というイメージでした。


トロントは250万以上の人口が集中するカナダの中でも特殊な地域ですが、多様性を尊重するということが標語として掲げられ、弱者を包摂する施策が進められており、人権への感覚がしっかりとしていると聞きました。


もちろん完璧な社会等存在しておらず、カナダ、トロントも多くの問題を抱えていることは承知の上です。決して理想化はしていません。ただ、日本にいては体験出来ないことを体験し、理解することが出来るのではないかと思いました。トロントで子どもたちがどのような環境の中で育っているのかをこの目で見、そこから学ぶことはかけがえのない財産になる様に感じました。


ちょうどトロントにあるトロント大学オンタリオ教育研究所(OISE)は世界的にも権威のある教育研究の拠点であり、Curriculum, Teaching and Learningという学科のCurriculum Studies and Teacher Educationというコースで教師教育について学ぶことが出来ることがわかりました。自分としてはこれ以上条件が合う場所はありませんでした。留学志望先をここに定めた後に、改めて世界中の様々な大学を探しましたが、OISEよりも充実したコースを提供しているところはやはりありませんでした。


そのような理由で、OISEに留学先を定め、どうにかこうにかエッセイや推薦状を提出し、なんとかギリギリ合格を頂き現在に至ります。これからの留学生活大変なことも多いと思いますが、自分の居場所にとても強い満足感を感じています。初心を忘れずしっかりと頑張りたいと思います。


今日はこの辺で。



2014年9月6日土曜日

トロント大学ってどんな大学?


どうも、入澤です。
今回は自分が留学しているトロント大学がどんなところか紹介したいと思います。




















トロント大学は全体で8万人以上の学生が通うカナダ最大の総合大学です。その中で大学院生は1万5千人、留学生は1万2千人以上います。研究機関を含め18学部からなり、トロント市内に3つのキャンパスを持っています。キャンパスには3つのラジオ局、7つのアートギャラリー、そして17の小劇場があるとか。今までに輩出したノーベル賞受賞者は10人に上ります。


トロント大学は本当に巨大な大学でここに来てから一ヶ月になりますが、まだまだ全貌がつかめません。私がいるセントジョージキャンパスはトロントの中心に位置しており、街に溶け込んでいるという印象を受けます。日本の大学と違い、「ここからここが大学」という明確な境界がなく、普通に道路も走っています。トロントの真ん中になんとなく大きくトロント大学ゾーンが広がっているという印象です。日本に来る前に会ったトロント出身の女性はトロントの敷地の5分の1はトロント大学だと言っていましたが、なんだか納得できる気がしました。



こちらは大学の地図。
だいたいここら辺一体の建物はトロント大学の建物です。そしてこの地図から少し離れたところにも建物があったりするので、実際の大きさはまだよくわかりません。









歴史と伝統を感じることができる古く美しい建物から、最新の建築物までが並ぶ通りは歩くだけでなんだかワクワクしてしまいます。



教会のような建物。








こちらはMBAの建物。中もとてもカッコいいです。さすがお金持ってるな。。







教会のように見える手前の建物は学生会館のようなもの。奥にはトロントの高層ビルが見えます。







こちらは理工学部?みたいなところ。












お家のような建物もたくさんあります。それらも大学のなんらかのサービスを提供する建物です。















トロント大学の敷地には緑が多く、少し散歩するだけで勉強の疲れも癒してくれるように感じます。セントジョージキャンパスの中心にはクイーンズパークという公園があり、学生だけでなく、市民の憩いの場になっています。




よくここで本を読んでいます。
お気に入りの場所。

















図書館前の通り。








クイーンズパーク。週末はここの周りを走っています。













ここは僕が住んでいる大学院生用の寮です。現代的な建築で見た目はかっこいいのですが、中はかなり簡素なつくりになっています。学生の部屋には共用のキッチン、トイレ二つ、シャワーがあり、それぞれの学生の部屋が4つあります。最初は予想以上に他のルームメイトとコミュニケーションがなかったりと戸惑うこともありましたが、かなり慣れて来ました。大学の一番大きな図書館からも歩いて3分、目の前にはジム、銀行、コンビニがあるという好立地はかなり魅力的です。




無駄に大きなガラスの看板が目印。













さて、ここが一番大きなロバーツライブラリー。トロント大学には他にも43カ所に図書館があるそうです。僕がいつも勉強する時に使っているこのロバーツライブラリーですが、地下2階地上14階建ての建物で近くからは大きすぐてよく分からない!というような状態になります。




近くから。








遠くから。














学生に提供されている勉強スペースは5000席ほど。どの席にも電源が近くにあり、机は大きく広々と使うことが出来ます。

こちらの集団は大学にある寮に住んでいる学生の集団です。


肌を紫色に塗っている意味はよくわかりません。集団で闊歩する様子は異様です。
















イギリスの寮制度を取り入れているため、自分たちの寮への帰属意識が強いようです。同じ格好をして練り歩いているのは、オリエンテーションの時期の伝統で、この時期に特徴的な光景のようです。この集団はこの後、車道を挟んで向かい側を通りの向こうから歩いてきた他の寮の集団と鉢合わせになり、車道を挟んで向かい合って、お互いの寮の名前を叫び合っていました。事情を知らなかった僕からは大人気ない花一匁にしか見えませんでしたが。

こちらはブックストアです。大学の生協のようなものですが、とても大きく、本だけでなく衣服や文房具、デジタル機器など様々なものを売っています。






まだこちらに来てから時間がたっていませんが、父が昔「大学には一つの都市だと思え」と言っていたことを思い出しています。本当にトロント大学は一つの都市であり、注意して歩けば面白いものをこれからドンドン見つけられそうです。面白い出来事、人に出会えるような歩き方を身につけないといけませんね。

さて、まだまだ紹介しようと思えばたくさん出来そうなのですが、きりがないので今日はこの辺で。






ブログはじめました。

トロント大学オンタリオ教育研究所(OISE)の修士課程にこの9月から留学しています、入澤充です。留学をするにあたりブログをはじめました。

このブログではトロントでの留学中の学びに加えて、学部生時代に教育格差の問題に取り組むLearning for AllというNPOに深く関わった中で深めた課題意識、そして大学卒業後に新米プレイワーカーとして子ども達を「遊び」というレンズで捉えることで学んだ考え方などを共有していきたいと思います。

背伸びをしすぎず、週に1〜2回程度の更新を続けていく予定です。
ちなみに、ブログタイトルの「どこぞの馬の骨ネットワーク」は教師教育学研究会のゆるいネットワークの名称を武田先生の許可を得て拝借させて頂きました。実はあんまりどういう経緯で出て来た言葉かは知らないのですが、響きがとても好きです。
学校の先生や文科省のお役人だけでなく社会の色々な「馬の骨」がつながり、子ども達のことを見守っていけるといいなぁという僕の思いを勝手に重ねました。

記事の内容に関しては突っ込みを入れて頂いたり、「もっとこんな本を読んだらいいよ」とアドバイスを頂けたら嬉しいです。多くの人の意見やアドバイスから学ばせていただきたいです。
もちろん、純粋な感想もお待ちしております。

それではよろしくお願いします。