2016年5月18日水曜日

アナザー・ストーリー・ブックショップ

どうもこんにちは、入澤です。
先週末にアナザー・ストーリー・ブックショップという本屋さんに行ってきたので、今回はそれについて書こうと思います。


アナザー・ストーリー・ブックショップはトロントの西の外れにある書店です。この書店は多様性や社会正義をテーマにした本を扱い、子どもから小中学生そして大人まで楽しめる様々な本を売っています。書店内で頻繁にイベントを行っており、特に新刊の著者を招いてのトークイベントをよく行っているようです。またトロント市内の幼稚園や小中学校にも本を出荷しています。店員さんによるとトロント市内に他にも似た様なお店は何軒かあるとのことでした。ただ、他のお店は人種やフェミニズムに焦点を当てているのですが、このお店は様々なテーマを扱っている点で少し違うようです。

店内には環境問題、ジェンダー、セクシャリティ、人種差別、社会運動、サブカルチャー、世界各国の政治などを扱った多くの本が陳列されており、見ているだけで長い時間楽しめました。書店の半分ほどを幼児からティーン向けの本が占めており、当日も多くの子どもたちが親と一緒に来店していました。




また、当日は"That's Not Fair: Getting to Know your rights and freedom"という絵本の著者によるトーク&子どもたちへの読み聞かせイベントが店内で行われていました。


この本は日本でいう就学前の子どもたちを対象にしており、"That's Not Fair" つまり「そんなのおかしい!」と思う気持ちの大切さを子どもたちに伝えるために書かれています。本の中には6つのストーリーが収められていますが、どのストーリーの中でも一部の人が特別扱いされ他の人が除外されたりといった理不尽なことが起こります。それに対して子どもたちが「おかしい!」と思う気持ちを肯定することが一貫したテーマになっています。読み聞かせの時に著者のおばあさんが「あなたの家にもルールがあるでしょう?」と子どもたちに尋ねていました。子どもの達の様々な答えに対して「ルールはね、変えられるのよ。」と優しく話しているのがとても印象に残りました。英語にはrightやjustなど多くの「正しい」を意味する言葉がありますが、子どもたちが最初に出会う「正しさ」の感覚はFairnessです。その感覚をしっかりとエンパワメントしてあげたいですよね。

さて、少し話が逸れてしまいました。最後に少しだけ思ったことを。
アナザー・ストーリー・ブックショップのような本屋さんが普通の街角の書店としてトロントの中に存在していることに意味があるなぁと行ってみて思いました。「なんたらかんたらチョメチョメ資料センター」みたいなところにある図書館が多様性や社会正義についての本や資料を提供しているのも大事ですが、もっと近づきやすいところに読みやすい本があるのが大切だろうなと思います。とてもいい本屋さんだったのでまた行ってみたいと思います。そして、トロントにある他の似た本屋にも。

それでは。












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