2016年5月19日木曜日

カナダのトランスジェンダー差別禁止法

どうもこんにちは入澤です。
さて、今日は昨日5月17日が国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビアということでLGBTについてのカナダのビッグニュースをお伝えしたいと思います。

カナダのトルドー首相はトランスジェンダーへの差別を禁止する法案可決を目指すと発表しました。これは昨年の首相選挙の時にトルドーが公約の1つとして掲げていたものです。国会はトルドー首相率いるリベラル陣営が過半数をしめているのでまず問題なく可決されるでしょう。



もともとカナダには人種、性的志向、宗教などによる差別を厳しく禁止する人権法がありますが、今回の法案によってその人権法に"gender identity"と"gender expression"の項目が付け加えられることになります("gender identity"とは簡単に言うと自分のジェンダーを心の中で何だと思うかです。それに対して"gender expression"とはある人が人前で示すジェンダーです。)また、刑法が定めるヘイトスピーチの保護対象としても明確に記載されることになります。

法務省のホームページには今回の法案についてのわかりやすい解説ページが既に設けられています(http://www.justice.gc.ca/eng/cj-jp/identity-identite/index.html)。また、法務省主導のキャンペーンとしてTwitter上のディスカッションが#FreeToBeMeでおこなわれています。





このトランスジェンダー差別禁止法は決してトントン拍子に進んだ話しではありません。実は過去に計6度も同内容の法案が国会に提出され否決されていました。それでもLGBTのアクティビストグループは長年諦めずに活動を続け、新民主党の議員らから法案は提出され続けていました。



カナダは多様性の国として知られていますが、トランスジェンダーの13%がトランスジェンダーであることが原因で仕事をクビになった経験を持ち、18%が就職における差別を経験しています。そしてそれ以上に日常で受ける差別の存在ももちろんあります。ニュースは10歳のトランスジェンダーの女の子が「将来より喜びに満ちた人生を送ることができる」と言っているのを報じています。


映像を見ていただいたら分かりますが、保守的な国会議員もたくさんいますね。
全体としてお祝いのムードが高まっていますが、多くのLGBTの人たちが法案可決はスタートラインに立つことだと認識しているようです。法案が可決したからといって日常の微かなしかし確かな差別は簡単にはなくなりません。カナダの挑戦はまだまだ道半ば。そう思えることがカナダの多様性の強さでしょう。

今日はここまで。
















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